産経新聞 半田晴久(深見東州)掲載

ビルの谷に幻想一夜 都庁の広場で「東京大薪能」

2000.10.18 東京朝刊

伝統芸能を多くの人に楽しんでもらおうと、「第3回東京大薪能」(NPO法人世界芸術文化振興協会主催、産経新聞など後援)が17日、新宿区西新宿の都庁内の都民広場で開かれた=写真。近代的な高層ビルのはざまでの幻想的な舞台に約4500人の来場者が集まった。

 

冒頭で元参院議員で同協会理事の国広正雄氏が「能は人間のおかしさを表現する芸術。高度なユーモアだ」とあいさつ。続いて能楽評論家の堀上謙氏が、上演された能の「土蜘(つちぐも)」と「黒塚」、狂言の「萩大名」について専門家の立場から解説した。

 

今回上演された題目はいずれも、「初めての人でも楽しめるよう、厳かな雰囲気の中にも激しいアクションが取り入れられている」という。来場者らは薪が燃え盛るかがり火が揺れる中での、伝統的な演技に見入っていた。