半田晴久/深見東州「私の考える福祉」
「福祉について、私は三つの事を大切にしています。
第一に『福祉とは障害者や困窮する人の自己実現のお手伝いである』ということです。盲人ゴルフを例に取ると、まずゴルフという競技があり、健常者とほとんど同じルールの下で、目の不自由を克服してゴルフをやり、交流し、新しい生きがいを得ようとする人々がいる。一方、学校建設を例に取ると、学校に行きたいのに学校がない。あるいは、学力は優秀なのに進学できない子供たちが、中国には大勢いる。だから、そういう人たちの自己実現の手助けのために、盲人ゴルフ倶楽部を作り、学校建設や進学の援助をする。そこにあるのは、親切の押し売りやお節介ではありません。まさに、積極的に困窮を克服し、自分の魂が現実の困難をバネにして、自己実現しようとするためのお手伝いなのです。
第二に『民間がやるべき福祉とは何か』ということです。私たち民間人が行う福祉の規模は、決して大きくはありません。アフリカ問題などは、大きすぎて私の身の丈には合わず、今のところ官公庁にお任せするほかありません。あるいは、その大問題を小さく別けて、自分に合ったものをやる縁やチャンスにまだめぐり合わないのです。つまり、民間の福祉が効を奏する条件は、規模が大きすぎず、その成果を目の当たりにでき、しかもそれがユニークなものであるということです。すなわち、福祉を行うことの喜びを、身をもって感じられる事が大切だと考えているのです。そうでなければ、決して永続きはしません。また、ユニークな民間の福祉活動が永続きし、大きな成果が上がったら、はじめて官公庁が動いて大規模な活動になります。これが民間の福祉活動の役割ではないかと思います
第三に『福祉を通じて心の交流をする』という点です。福祉とは、決してお金だけ出して終わりというものではありません。私は必ずその場に赴いて、人々や子どもたちの手を取り、ともに歌を歌い、触れ合うことで心の交流を図っています。心の通う福祉こそが、本当に生きた福祉だと思うからです。
こうして、肌の色や国籍、宗教などの違いを超えて、心のこもった助け合いを実現することが、私が福祉実践家として一番心掛けていることです。以上の三つが、私の行う福祉活動の原点であり、理念でもあるのです。」